「手話言語法」というのを知っていますか? まだ法律として成立していない法案なのですが、その主旨は、「ろう者の一層の自立と社会参加のため、手話が言語として認められ、ろう者が日常生活において安心して手話を用いることができる環境をつくるよう、手話言語法を制定すること」となっています。
昨今の街づくりにおいてバリアフリー化は常識となっている中で、コミュニケーションづくりのそれは道半ばであり、多くの人は手話によってコミュニケーションを取ることができないのが現状でしょう。
(もちろん、ろう者だけに限ったことではありませんね)
筆者はこのような法案が検討されていることを知らなかったのですが、条例レベルでは、23道府県、2区、143市、19町の計187自治体が導入しているそうです。
少しずつ広がりつつある手話普及の機運にある中で、神戸市では平成27年4月に、政令市で初めて施行された手話言語条例、「神戸市みんなの手話言語条例」にもとづき、手話への理解の促進および手話の普及のため、神戸市ホームページにおいて、手話を学べる動画を配信しています。
そしてこのたび、平成30年度の配信事業として、消防局が企画した防災絵本『地震がおきたら』を題材とした手話動画(防災編)を6話にわたり配信します。
■動画(防災編)の内容
動画は、(1)絵本を手話で表現、(2)消防職員による手話を使った避難の際の注意点の解説、(3)聴覚障害当事者からのアドバイス、で構成されており、災害時の対応について、誰もが正しく理解できる内容となっています。
第6話までご覧いただくことで、防災絵本『地震がおきたら』全編を手話で読むことができ、災害時に聞こえ
ない人がどのようなことで困り、どのような支援が必要かを知るとともに、災害に関する手話表現を学ぶことが
できます。
■動画(防災編)の配信
動画はこちらからご覧になれます。(「神戸市みんなの手話言語条例」のページ)
『手話動画(防災編)第1話(9分12秒)』は平成30年9月25日(火)より公開し、以降は2カ月に一度、新規配信します。障害がある人もない人も誰もが理解しあい、協力して災害を乗り越えることができるよう、是非ともご覧ください。なお、動画は神戸市ホームページの「神戸市みんなの手話言語条例」のページからご覧になれます。
■神戸市手話動画事業について
当事業は、神戸市みんなの手話言語条例にもとづき、兵庫県立聴覚障害者情報センター(灘区岸地通1丁目)と協力して動画を制作しており、平成27年11月に第1話を配信し、現在、第17話まで配信しています。
【参考】配信中の手話動画
この動画では、毎回、テーマごとに、日常でよく使われる単語の手話での表現方法や、聞こえない人とのコミュニケーション方法などを、10分程度のドラマ仕立てで紹介しています。簡単に、楽しく、無料で、手話を学ぶことができますので、ぜひ、ご視聴ください。なお、動画はユーチューブからもご覧になれます。