昨年は『うんこ漢字ドリル』が累計220万部を突破するほど「うんこ」が主役の年でしたね。今年は違います。遂に「おしりのあな」にスポットライトが当たる時がきたのです。
株式会社岩崎書店から、サイエンスコミュニケーター工藤光子さん作の絵本『おしりのあな うみへいく』が2018年8月8日に発売されました。
■前代未聞!? 「おしりのあな」が主人公の絵本!
いつもパンツの中で、トイレとウンチしか見たことのない、こーもんくん。
外の世界を知らないので、憧れがつのります。
そんなある日、おしりのあなの持ち主が、海水浴に行きます。
海に飛び込んでパンツが脱げたとき、チャンス到来とばかりに体を飛び出して、海を探検することに。
海には、こーもんくんの仲間がいるのでしょうか?
『おしりのあな うみへいく』中面
■「こーもん」だけに、クソ真面目!「科学する心」を伝える絵本です!
魚の肛門は、いつもうんちが海水に洗われてシャワートイレみたい。
ウニのおしりのあなは体の真上、だからウンチをかぶっちゃう。
タコのおしりのあなは、目玉の横に。
イソギンチャクは、口とこーもんがいっしょ!?
『おしりのあな うみへいく』中面
■海がこのお話の舞台になった理由とは?
このお話の舞台はどうして海なのでしょう? それは…
生命は海から生まれたから。
人間の体で最初にできるのは「おしりのあな」です。
おしりのあなは、目よりも口よりも手足よりも、先にできるのです。
『おしりのあな うみへいく』中面
■著者のサイエンスコミュニケーター・工藤光子さんからのメッセージ
この絵本を読んだみなさんは、ほかの生きものの肛門や口がどこにあるのか、気になったのではないでしょうか?
「そう思ってくれたらうれしい」、そんな気持ちで、この絵本をつくりました。
生命科学の道に進むためには、「生きものっておもしろい!」と感じて、調べて記録するだけではなく、
もう一歩踏み出す必要があるのです。そのためには、壁となっている「ある種の考え方のちがい」をこえなければなりません。その架け橋になるような絵本をつくりたいというのが、この絵本をつくった動機です。
海の生きものの「こーもん」を通して、さまざまな動物たちの「おしりのあな」に興味をもち、
多様性のなかにある共通性をさぐり、科学の視点を養うことのできる絵本。
「生きものって面白い!」「生きもののことをもっと知りたい!」と思ったお子さんに、ぴったりの作品です。
■書籍情報
書名:『おしりのあな うみへいく』
著者:工藤光子
画家:横山拓彦
定価:本体1,300円+税
判型:A5判/32頁/ハードカバー
ISBN:978-4-265-02934-1
対象年齢:小学校低学年から
発売日:2018年8月8日
・岩崎書店ホームページ 書誌情報ページ
http://www.iwasakishoten.co.jp/news/n25701.html
・Amazon 書誌情報ページ
■著者紹介
工藤光子(くどう・みつこ)
1970年、神奈川県生まれ。1996年名古屋大学大学院理学研究科修了。JT生命誌研究館サイエンスコミュニケーション部門、部門チーフを経て出産・子育てで6年間休憩。2010年から立教大学理学部共通教育推進室サイエンスコミュニケーションプロジェクトプログラムコーディネーターで復職。同室、特任准教授を経て、2018年から第31回国際生物学オリンピック2020長崎大会事務局長。一貫して研究者とともに生命科学のビジュアル化コンテンツを作成。日本で一番古いサイエンスコミュニケーターでもある。DNAレゴブロック模型開発者。国立科学博物館「卵からはじまる形づくり 発生生物学への誘い」展ディレクション。著書にブルーバックス『見てわかるDNAの仕組み』(講談社、中村桂子との共著)がある。
横山拓彦(よこやま・たくひこ)
1981年、青森県青森市生まれ。弘前大学農学生命科学研究科修士課程修了後、2013年3月に岩手大学連合農学研究科博士課程修了〈博士(農学)〉。在学中に研究の傍ら昆虫の形態観察力を養う目的で昆虫のスケッチや細密画を描き始め、博士課程修了後イラストレーターとしての活動を始める。著書に『おどろきの植物 不可思議プランツ図鑑』誠文堂新光社(食虫植物愛好家で作家の木谷美咲との共著)がある。