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親の死を迎えるIZAという時に(3)第4回エンディング産業展に行って感じた違和感

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8月22日から24日(友引)までの3日間東京ビックサイトで開催された「第4回エンディング産業展」に行ってみた。出展数400以上、来場者は延べ3万人に迫るという一大イベントが今年で4回目を迎えるというのだ。テーマはもちろん「エンディング」。ご葬儀関連商品や棺桶、霊柩車、初見のものが大集合である。これからの相続や葬儀のあり方に興味のある自分としては、是非ともみておかねばならない。しかも今回ゲストで中年の星である壇蜜さまが来られるというではないか。なぜご葬儀のイベントに壇蜜様!?という違和感もあったが「行ってみたい!」という気持ちを抑えきれず東京までのチケットを手配してしまった。

 

あなたの知らない「エンディング」の全てがここに

第4回エンディング産業展 Life Ending Industry EXPO 2018 [ENDEX](通称ENDEX:エンデックス)

 

友引はご葬儀がないので葬儀関連の方がお休みを取りやすいのだ。

「ご葬儀のこと一緒に考えませんか」

まず、なぜ壇蜜様なのか。壇蜜(以下敬称略)は27才で3年勤めた和菓子店を退職、葬儀の専門学校「日本ヒューマンセレモニー専門学校」に入学している。当時はエンバーミング(遺体を衛生的に管理保存する技法)に興味を持っていたらしい。エンバーマーとして葬儀社に就職を希望していたが断念し、大学の研究所で助手として助手として働くようになった。詳しくはこちら。

https://weban.jp/contents/guide/interview/b_column/160614.html

入り口付近には霊柩車の新型がずらりとならぶ。霊柩車の中なんてそう見ることがないのでえらく感動した。大型の3ナンバーの1ボックスカーの内部がカスタムされていたり、定番のリンカーンとか。昔よく走っていた「宮型」霊柩車は展示されていなかった。 宮式霊柩車を走らせるには先導車が必要だそうで、葬儀のコストダウンの中で洋式の霊柩車にシフトして言ったらしい。さらに宮式霊柩車は葬儀場や火葬場の近隣住民から「死」をイメージするとクレームが発生し、徐々にその数を減らしていった。ちなみにこの「宮型」霊柩車、モンゴルで「走る寺」として大活躍しているそう。

「走る寺」宮型霊柩車

新しいタイプの棺にはサッカーのグラウンドをイメージしたデザインなど。他にも地球のプリントをした棺桶。新しい墓石やQRコードの入った骨壷、商品展開の多い香典返し。タブレット端末に収まるバーチャル仏壇など、、。ただ、感じたのは既存のプラットフォーム内でのバリエーション展開をしているのかな、ということ。これまでみたことがあるものを少し珍しいものや、便利なものにしようとしている。

要は考え方が「古くさい」のだ。市場は増加するのは間違いないことなので、多くの企業や消費者が注目しているのはよくわかる。しかし、消費者の疑問に答えることなく小手先の「バリエーション違い」を見せられている感が非常に強かった。

消費者の一番の関心は葬儀の「コスト」についてだ。何にいくらかかっているのか、必要なものか必要でないものかの区別がつかない。葬儀会社からは「みなさんこのくらいされていますよ」と言われても、いまいちピンとこない。しかも日常的に「お寺」との距離感ができている今、「お布施」のコストがブラックボックスなのは非常に不安である。とある出展者が「お寺は怖いと思われているからイメージを変えていこう」という取り組みをされていたが、そもそもその原因をよく理解していない印象だ。普段関わりがない「お坊さん」がお葬式の時に現れ、お経をあげて戒名をつけて「徳のある」話をしてお帰りになられる。相場は15万から50万、戒名は10万から100万という。ネット上にも「だいたいそんなもんだし、みなさまそうされていますよ」というニュアンスで記述されている。お寺は「怖い」のではなく人の心にいなくなってしまったのだ。そんなところに相場的な金額を払うこと自体が違和感がある。普段親しく付き合ったこともない人に「故人が浮かばれませんよ」「成仏できませんよ」といった「ニュアンス」で脅され、報酬は「あなたが決めろ」という。ちなみに戒名は自分でつけても構わないそうだ。

 

今年、スポーツ界で賑わしてる「やらなきゃ意味ないよ」(アメフト関連)、「こんなんじゃ五輪いけないよ」(体操関連)、ボクシング関連の様々な「迷言」は、同じ縮図・体質の中で生まれたのではないか?と勘ぐってしまう。お坊さんが「こんなんじゃ極楽いけないよ」とか「葬式しないと意味ないよ」なんていった日には大問題だし、いわゆる「パワハラ」認定されたら目も当てられない。

 

全国での平均的なご葬儀機かけるコストは110万程度だそうだ。おそらくこの価格はしばらく下げ止まりしないだろう。色々選べて110万超えるのであれば納得であるが、最初から110万くらいと言われてもピンとこないどころか、一番安いのでいいよとなってしまうのもうなづける。「エンディング産業展」で感じた大きな違和感はここだった。要らないものをずらずら並べて平均的な110万円を埋める作業に見えてしまうのだ。商品自体は実際に魅力あったり面白いものがある。しかし、それをどう組み合わせるのかの提案が全く見えてこない。死んでからたった3時間でプランを決めて、告別式が終了して3日以内に全国平均110万の集金がやってくる。そこに「やらなきゃ意味ないよ」と言っている(ような)お寺さんもいる。極端で乱暴な言い方なのかもしれないが、これが現実だ。ご葬儀は悲しみにくれている暇なんてない。

 

 

 

 

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