ようやく熱い夏が終わろうとしていますね。日一日と過ごしやすい気候になり、東北地方では河原で芋煮会シーズンを迎えているようです。芋煮会の起源は江戸時代にさかのぼり、山形に始まったというのが定説だそうですが、現在のような河原で宴会というスタイルは高度経済成長期に見られることが多くなったというデータがあります(NHK仙台放送局調べ。Wikipediaより)。人口の増加に加え工業化に突き進んでいる時代に、農村から都会へ移動した人たちが隣人や仕事仲間を交えたコニュニケーション手段として活用し始めたのかもしれません。筆者は一度も参加したことがないのですが、天気のいい河原で酒を飲み、芋煮をつつくのは最高でしょうね。
みんなが集まる芋煮会の魅力はたくさんあるでしょうが、その一つに焚火があると思います。芋煮会シーズンにはコンビニやスーパーに薪が積み上げられている光景がいたる所で見られるそうで、芋煮会における焚火の重要性が伺えますね。
筆者もそうですが、焚火が放つ火の姿や色合い、薪の香りにうっとりしてしまう人は多いと思います。そこで今回は、薪ストーブを自作しようという本の紹介です。河原に行かずとも、仲間を集める手間をしなくとも、自宅や庭で一人ひっそり薪ストーブで暖をとりながら酒を飲むのもいいと思います。
また、寒さが厳しくなった折、いつ起こるかわからない災害の備えとしても活躍するはずです。
■自作しやすくて高機能なロケットストーブ
DIYでのストーブ作りが近年、じわじわと広まっています。このムーブメントの中心にあるのが“ロケットストーブ”という薪などを燃料とするストーブ。
アメリカ発祥とされ、日本で作られるようになってまだ10年くらいという新しいタイプのストーブですが、従来の薪ストーブよりも遥かに簡単に作れて、しかも燃焼効率がよく高機能であるため、手作りストーブ=ロケットストーブというくらい、DIY愛好家には人気になっています。
本作では、基礎知識から、電動工具も溶接も不要な超簡単な作り方、全国の愛好家が作った調理用(おいしいロケスト)・暖房用(あったかいロケスト)の実例を紹介し、ロケットストーブ作りのアイデアとヒントを多数掲載しています。
■クラシカルな薪ストーブ作りにも挑戦!
一方で、重厚でクラシカルな箱型の薪ストーブは、いつの時代も憧れの人気アイテムです。厚みのある鉄を切断して溶接するのは、たしかにハードルは高めですが、そのぶん、DIYで作る喜びや達成感も高いと言えます。
本作では、DIY誌『ドゥーパ!』の編集部員が製作した薪ストーブの詳細リポートを掲載。巻末には鉄を切る、曲げる、溶接するといった鉄工の基本テクニックも紹介しているので、薪ストーブ作りにチャレンジしたい方へもおすすめします。
■人気上昇中! 時計型薪ストーブの活用術
「薪ストーブは高い」というイメージが強いですが、そんな中、人気上昇中なのが数千円で購入できて手軽に使える時計型薪ストーブ。最近はホームセンターでも見かけることが増え入手も容易になり、より人気が高まっています。その時計型薪ストーブをアレンジした、さまざまな活用法も紹介しています。
イチから自作するのもよし、既製品を自分流にカスタマイズしてアレンジするのもよし、薪を燃やすストーブが1台あれば、暮らしも遊びもリッチになります。そして、電気やガスや灯油を使わないぶん、災害時などの、いざという時にも役立ちます。
身近になった「ストーブDIY」に、ぜひチャレンジしてみてください。
[商品概要]
『DIYでストーブを作る』
定価:本体1800円+税
発売日:2018年10月2日(火)
判型:A4変型/116ページ
電子版:あり(同時配信)
ISBN:978-4-05-611334-1
発行所:(株)学研プラス
ドゥーパ!ウェブサイト:https://dopa.jp/
学研出版サイト:http://hon.gakken.jp/