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雪道で4WDは上り坂に強くても下り坂では止まりづらい!2WDと登坂・ブレーキ性能を比較

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思い込みによる間違いや勘違いはよくあることです。

思い込みによっていい効果を生み出すこともあります。例えば「プラシーボ効果」と呼ばれるもので、効果がない薬を飲んで痛みが取れたり、病気が治ってしまうというものです。結果が本人にとって良いものであり、他人に迷惑を掛けるようなことでなければいいのですが、逆に思い込みによって問題を起こしてしまうようなことがあってはいけません。

今回ご紹介する調査は、雪道に万能だと思い込みでいる人が多そうな4WDの性能についてです。今年は暖冬ですが、今後のためにも知っておいて損はありませんよ。

 

■JAFが4WDの雪道性能を検証

JAF(一般社団法人日本自動車連盟 会長 矢代隆義)は、降雪時期を前に「雪道(圧雪路※1)の登坂・ブレーキ性能を4WDと2WDで比較検証」を行い、その結果を11月16日(金)よりホームページに公開しました。

雪道走行(イメージ)

4WD(四輪駆動)車は雪道に強いと言われていますが、実際にどのような状況でも2WD(二輪駆動※2)車より走行性能が優れているのか、4台のテスト車※3で2つの実験(路面はいずれも圧雪路)を行いました。

2WD2台、4WD2台の計4台で検証

※1 圧雪路とは、雪が踏み固められた状態の路面。

※2 2WDの2台は前輪(FF)駆動車。

※3 4台(4WDと2WDの車を2台ずつ)とも、新品スタッドレスタイヤを装着。

 

■登坂テスト

勾配9%と勾配20%の坂道を上りきれるのかを検証しました。

勾配20%の坂道で走行可否を検証

 

 

■急勾配の坂道になると2WDでは上りきれない!

テスト結果は表の通りで、勾配9%の緩やかな坂道は、4台とも上りきれました。しかし、勾配20%の急勾配の坂道になると、4WDの2台は安定して上りきれたのに対して、2WDの2台はスタッドレスタイヤを装着していても坂道の途中でスリップして上りきれませんでした。登坂性能は予想どおり、4WDのほうが優れていることが分かりました。

登坂テスト(勾配9%と20%)の結果

 

■ブレーキテスト

平坦路と勾配9%の下り坂で、40km/hから急ブレーキ※4を踏み、停止するまでの制動距離を計測器で測定しました。

※4 急ブレーキ時はABSが作動。

平坦路(左写真)と下り坂(右写真)でブレーキ性能を検証

 

○下り坂では4WDの制動距離が長くなる!

まず、平坦路の制動距離は、2WDと4WDのいずれの車も制動距離が20~22mと、大きな差はありませんでした。

ただ、勾配9%の下り坂の制動距離となると、2WDの2台は約29~33mで停止できたのに対して、4WDの2台は約35~40mと、2WDより長くなりました。特に、車両重量が最も重かったランドクルーザープラドの下り坂の制動距離は、平坦路に比べて約2倍長くなりました。

ブレーキテスト(平坦路と勾配9%)の結果

 

このように4WDは構造上、2WDより車両重量が重くなり、そのぶん下り坂では制動距離が長くなります。

4WDは2WDに比べて登坂での発進時は滑りにくく安定しますが、停止時は止まりづらくなるので、速度を抑えて雪道は慎重に走行しましょう。

 

■テスト結果:JAFユーザーテスト

[動画編]

通常版:http://movie.jaf.or.jp/details/223.html

ダイジェスト版:http://movie.jaf.or.jp/details/224.html

[資料編]

http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/usertest/snow/detail1.htm

 

このプレスリリースはこちら

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