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災害に大活躍の予感。電動マウンテンバイクの「カスタム」に未来を見た。

投稿日:2018年11月4日 更新日:

災害時に活躍する「自転車」

災害時にインフラが途絶した状況下で活躍するのが「自転車」である。電気やガス、ガソリンなとが途絶え、道路が寸断された場合、人力で移動することができる自転車は大いに活躍する余地がある。寸断されたり液状化現象を起こした道路、瓦礫で行く手を阻まれた場所などでは走破性、広範囲の移動などに長けているのは自転車である。誰でも乗れてしかも免許が必要ではないのも大きなメリットだ。

実際に東日本大震災が発生した時、台湾の自転車メーカー「GIANT」がマウンテンバイクを1000台提供した。通常の自転車ではなく、マウンテンバイクであることがキモだ。普通の自転車に比べ悪路もどんどん走れる。雨が降っている時でも滑って転倒する危険性も少なくなる。マウンテンバイクは普通の自転車と比較して幅広でグリップ力のあるタイヤを装着しており、フロントもしくはリアにショックアブソーバーを装着し、悪路の走破性が非常に高い。写真は、実際にGIANTが東日本大震災支援のために提供したマウンテンバイクであるが、通常のマウンテンバイクに視認性の高いカラーリング、物資を運搬するためのキャリア、サイドスタンドやフロントヘッドライトなどの「カスタム」を施してある。しかも現地に負担をかけないようにと完組状態で日本に届けたそうだ。

東日本大震災の支援でGIANTから提供された特別仕様のマウンテンバイク。目立つカラーリングとリアについた大型のキャリアーが特徴的だ

筆者もマウンテンバイクをこよなく愛する一人であるが、趣味として山道を登ったり未舗装路でのレースに参加したりしていた。災害地での利用は未経験であるが、マウンテンバイクが活躍するであろうシチュエーションは容易に想像できる。

E-bikeのマウンテンバイク発見!!

たまたま立ち寄ったバイクショップにそのマウンテンバイクはあった。ショップのオーナーがダウンヒルのレースをやっているので「ちょっとどころかだいぶん様子のおかしい自転車」が多く存在しているが、その中でもこの自転車は明らかに異様だった。普通の自転車に比べていろんなレバーやら計器やらついている。明らかに人力以上の「機械」の様相を漂わせている。

通常の27.5インチのマウンテンバイクよりも明らかに存在感がある。まさに「鎮座」という感じ。ダウンチューブの上に乗っかるバッテリーパックの存在感が通常のマウンテンバイクとの違いを感じさせる。

ベースはPanasonicのXM1。E-bikeというジャンル、いわゆる電動アシスト自転車だ。電動アシスト自転車というと「ママチャリ」ベースを想像する人が多いと思うが、これは明らかに見た目の様子が違う。街乗りというよりも「ライド」や「トレッキング」と言う方がふさわしい存在感だ。

http://cycle.panasonic.jp/products/exm/

こちらはXM1の標準モデル。これでも十分かも・・・!?

カスタムでさらなる性能アップ

このショップのオーナーはこれをカスタムしたというのだからだいぶおかしい。まず、タイヤを標準の2,2インチから2,6インチにサイズアップ。タイヤが太くなると抵抗が増えるものの安定感は増す。多少抵抗が増えたところで、電動のアシストがついている以上なんら問題はない。さらにフロントフォーク(サスペンション)をFOXの34mmにサイズアップ。標準モデルのフォークでは容量が少なく、本体重量が25kgにもなるのでは若干頼りなさがあったそうだ。ブレーキもローター径をアップし、パッドもメタルに変更、走る、止まる、曲がるの機能を見直している。しかもシートポストをドロッパーピラーに変更し、シートの高さを乗りながら変更できるようにしてある。フレーム自体はかなり強固に作ってあり、当然ながらその範疇でのカスタムが施されている。

大径化されたローターと34mmに容量アップのFOX製フロントフォーク。これだけでかなりいいお値段の予感、、、汗

ぶれぶれの写真だが、明らかのぶっといタイヤだ

国産アシスト機能の魅力

国産の電動アシスト自転車には道交法で「アシスト比率」が厳しく規制されている。時速10キロまでは人の力の2倍のサポートをし、時速24キロまでアシストの比率が徐々に減っていき、24キロ以上では人力のみで走行することとなっている。海外のE-bikeでは道交法の「アシスト比率」に適合していないものもあり、ぶっちゃけ乗れないものも多い。海外の有名自転車ブランドのE-bikeでは日本の道路事情に合わせたアシスト機能ではないため、急激にバッテリーを消費し「電池切れ」を起こしてしまうリスクがある。XM1のパワーユニットはPanasonic社の自社開発によるもので、自然な出力でしかも力強いトルク感がある。E-bikeに初めて乗る人でもおそらく恐怖を感じることは全くないだろう。

国内の道路事情に合わせたアシスト機能は、乗り手を選ばない。

災害時に大活躍の予感

筆者もマウンテンバイクのレースやトレッキングの経験がある。通常のマウンテンバイクには乗りやすさとともに多くのテクニックが要求される。例えば下り坂から急に上り坂に差し掛かった場合、ペダルを漕ぐ力と坂を登るスピードに合わせてギヤの選択をしないといけない。そうしないと上り坂の途中でペダルが重くなったり、スピードが極端に落ちてしまったりするのだ。未舗装路の上り坂で自転車が止まってしまうと転倒のリスクもあり、そこからスタートすることは容易ではない。滑りやすい路面はなお厄介で、タイヤがスリップしない程度の力加減とギヤの選択が要求される。段差をスムーズに越えるためには、上体を起こしてハンドルをタイミングよく持ち上げなければいけないが、この自転車なら多少の段差は難なく乗り越えてくれる。

誰でも乗りこなせるのが最大の利点

このXM1のカスタム版の最大の強みは「乗り手」を選ばないことだ。絶対的な安定性にバランスの良いアシスト機能、乗りながら自在にシート位置を変更でき、小柄の女性でも乗りこなすことができる。特別なテクニックも要しないので、普通に自転車に乗れれば、悪路を走破することができる。

災害時に想定される様々な路面状況で、テクニックやライセンスを要する乗り物では活躍できない。東日本大震災でGIANTが提供してくれたマウンテンバイクには様々な思いと技術が盛り込んであった。あれから7年経過したいま、イザという時に活躍してくれる乗り物として、E-bikeのカスタム版は大きな可能性を秘めている。

 

E-bikeカスタムについてのお問い合わせ

俺が作ったんだ、とドヤ顔のオーナー

takebow-tune Bikeworks

〒815-0035 福岡県福岡市南区向野1丁目3−10

092-555-2685

https://takebow-tune.com/

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